エネルギー源を糖質で蓄えてる豆
あずき、
いんげんまめ、
そらまめ、
えんどうの
豆は、いずれも糖質が50%以上ありエネルギー源です。タンパク質も20%前後と豊富です。また、日本人に不足しがちなビタミンB1などのビタミン類やミネラルを豊富に含んでいます。一方、脂質は2%前後と極めて低脂肪です。
エネルギー源を脂質で蓄えてる大豆、落花生
大豆は脂質が19%で、世界的に油の主原料となっているゆえんです。タンパク質は35%あり、
畑の肉と称されるほどです。一方、糖質は24%で
豆の半分です。
落花生も、脂質が47%と極めて高い含有率です。タンパク質も25%あり、
大豆と似た栄養素構成をしています。
機能性成分はそれぞれ豊かに
豆や
大豆に含まれてる機能性成分の筆頭は食物繊維です。
食物繊維は生活習慣病などの予防大きな効果があることから、重要視されてきています。
豆や
大豆は、食物繊維を多く含む食品の代表です。また、
大豆や
あずきに多く含まれているサポニンはがんや生活習慣病の予防に役立ち、
大豆に多いイソフラボンや
えんどうにも含まれてるレシチンなども機能性成分です。
健康を作る豆の栄養素・炭水化物(糖質)
糖質は、植物の主要な構成要素であることから、人類は、古くから食事の中で最大のエネルギー源として摂取してきました。
糖質は、すべて単糖類に分解されてから吸収されます。単糖類には主なものとして、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース(乳糖)などがあります。
その他の代表的な糖質はいずれも単糖類がいくつか結合したもので、砂糖の主成分のしょ糖はグルコースとフルクトースが結合した二糖類、
豆の主成分であるでんぷんはグルコースがたくさん結合した多糖類です。
豆に含まれているでんぷんは、消化酵素により分解されてグルコースになり、小腸で吸収され肝臓で代謝されてエネルギーが生成されます。
一部は血糖として血流を通して全身に運ばれます。また、一部は肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられますが、大部分はエネルギーとして消費されます。
糖質からエネルギー発生量はおおむね1gあたり4Kcalとされています。また、脳や神経、筋肉、赤血球は、グリコースだけをエネルギー源としています。
肝臓で生成されたグルコースが、血液中に血糖として出ていき、筋肉などの組織でエネルギーとして利用されます。この筋肉細胞に血糖(グルコース)を入れる働きをするのが膵臓のインスリンです。食事後、血糖値が上昇ししばらくすると一定までさがるのは、このような分解と吸収が行われるからです。この血糖調整機能が働かなくなると筋肉組織などに吸収されず血液中に残り、尿中に糖が排泄される高血糖の状態となります。
豆は、人間の一番主要なエネルギー源である糖質を豊富に含んでいる食品の代表です。
糖質の含有率は、
あずき、
いんげんまめ、
えんどう、
そらまめ、とも50%を超えています。
いろいろな土地に適した
豆があり、畑で育ち易く手に入り易いこと、そしてその
豆が穀類に足りない栄養分を補完すること、このことが、世界中ではるか昔から食事の中心として
豆が取り入れられてきた理由であります。
たんぱく質
☆
豆や
大豆、落花生には豊富なたんぱく質がたくさん含まれてます。
☆
豆のたんぱく質を組み合わせる料理で米のたんぱく質の栄養価を高めます。
体の最小単位である細胞は水分以外はほとんどがたんぱく質でできており、筋肉や、皮膚、血液、内臓、などを構成する主要成分になってます。また、体内のたんぱく質には寿命があり、絶えず分解と生成をくりかえし、新陳代謝されています。さらに、エネルギーが糖質の摂取などで十分な時はたんぱく質は体の組織の生成に回りますが、エネルギー不足時にはたんぱく質も1g当たり4Kcalのエネルギー源になります。
このたんぱく質は、いろいろな種類のアミノ酸が組み合わされてできています。このアミノ酸の中で、体の中で生成されず食品から摂取しなければならないものが8種類(乳児は9種類)あり、これを必須アミノ酸といいます。各アミノ酸には、理想的なアミノ酸量とされる基準値がそれぞれあります(アミノ酸パターンといわれています)。食品のたんぱく質は、基準値に対してもっとも少ないアミノ酸(制限アミノ酸といいます)の水準までしか利用されません。
たとえば、白米はリジンという必須アミノ酸が基準値の65%しかありません。このため、白米だけの食事はせっかく摂取したたんぱく質の利用率が65%と大幅に下がってしまいます。
一方、
あずきをはじめとする
豆や
大豆にはリジンが基準以上に含まれていますので、米と
あずき豆の
料理や、肉や野菜などを組み合わせることが必要なのです。
脂質
☆
豆には脂質がありません。
☆
大豆や
落花生の脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランスよく含まれています。
脂質は1g当たり約9Kcalのエネルギーを発生することから、糖質とともに重要なエネルギー源となる他、体の中の貯蔵脂肪となってエネルギーを貯める役割があります。また細胞膜などを構成する成分としてたんぱく質と同様に必須であり、また、ビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もあります。
脂質の主な構成成分である脂肪酸には、分子の結合の仕方で、飽和脂肪酸(肉の脂肪に多いパルミチン酸など)、一価不飽和脂肪酸(オレイン酸など)、多価不飽和脂肪酸(リノール酸、aリノレン酸などの3種類に分けられます。これを3:4:3の割合で摂取することが望ましいとされています。
世界的にはかなり前から、特に先進諸国で、脂質の取りすぎが健康上の大きな問題になっています。
脂質を取りすぎると、第1に、エネルギーの摂取過剰から肥満となります。第2に、飽和脂肪酸の多い肉や油の過剰摂取により、コレステロールや中性脂肪が増加して動脈硬化の原因になります。第3に、植物性の油に多い多価不飽和脂肪酸の一つであるリノール酸はコレステロールを下げる効果がありますが、一方、摂りすぎると酸化され易く体内でがんの原因といわれる過酸化脂質を生じます。
肉や油の使用が多いインスタント食品、ファーストフード、スナック菓子を好む最近の日本の若者は、脂肪の摂り過ぎから若い時から生活習慣病の危機にさらされていると言えるでしょう。
かつては「日本型食生活」で提案され、最近では「生活習慣病対策」や「日本人の栄養所要量」でも強くされてるのが、「エネルギー所要量のうち、脂質の摂取量を25%以下に抑えること」であるのは、欧米型の食生活で増えつつあるがんや心筋梗塞を予防するためです。
糖質やたんぱく質が多く、脂質の極めて少ない「
豆」は、米とならんで日本型食生活を進めていくかなめの食品です。
大豆は飽和脂肪酸は少ないのですがリノール酸が多く含まれている特徴があります。しかし普通に食べていれば問題はありません。
大豆製品の豆腐や味噌は、水分が多く含まれていることから脂質を取りすぎることはありませんが、
大豆油を多く使う料理には、不飽和脂肪酸の多い魚をあわせて食べるなどの、バランスの良い脂質の摂り方が望まれています。
ビタミン
☆糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富な
豆
☆ビタミンB2・B6なども
豆に・・・
ビタミンはそれぞれが不可欠な栄養素で、ごく微量で他の栄養素の働きを助ける酵素や酵素の働きを助ける補酵素の役割を担っています。
絶えず消費されることから微量でもきちんと所要量を摂取する必要があり、不足するといろいろな欠乏症が起こります。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質が吸収されてエネルギーに変わるときの補酵素の役割をします。糖質を摂取してもビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーへと代謝されず、乳酸などの疲労物質の形でたまって疲れやすくなったり、全身の倦怠感や食欲不振、神経炎による足などの感覚障害といった脚気の初期症状をおこします。
また、糖質は脳や神経の唯一のエネルギー源のため、ビタミンB1の不足などで十分にエネルギーが供給されないと、イライラしたり他人との協調性がなくなるほど、精神状態が極めて不安定になります。
明治時代に白米中心の食事をしていた日本の船員や軍人に脚気が多発したのは有名な話ですが、現在でも、不十分な食事によるビタミンB1欠乏症は、開発途上国では後を絶ちません。また欧米諸国では、アルコール依存症の第1の原因が、ビタミンB1欠乏によるものとされています。ひどくなると記憶喪失に代表されるコルサコフ症候群や、運動失調・精神障害などをひきおこすウェルニッケ脳症などの障害となってあらわれます。
清涼飲料水とインスタント食品で食事を済ませるようなことを続けてると、このようなビタミンB1不足症状が起こりがちです。
白米や食パン、めん類にはビタミンB1が不足しており、特にインスタント麺にはビタミンB1が少ないので、他の食品から補う必要があります。とりわけ食品の中では、
あずきや
いんげんまめの
豆や
大豆・
落花生からかなりの量のビタミンB1を摂取できます。毎日の食事に
豆や
大豆・
落花生を積極的に取り入れることが大切です。
ビタミンB2
ビタミンB2は脂質のエネルギー転換を助けます。また、細胞や皮膚、髪、爪等の再生をたすけます。また、ビタミンB2は、がんのもとになる過酸化脂を分解しその生成を防いでいます。
糖尿病になると、糖質のエネルギー転換がうまくいかなくなり、血液内に残って血糖値が上がります。進行すると、脂質のエネルギー転換もうまくいかなくなり適正量以上に血液中にコレステロールがたまっていき、動脈の内膜に脂質が付着し動脈硬化につながります。合併症などの予防に、糖質に働くビタミンB1と脂質に働くビタミンB2を十分に摂る必要があります。
ビタミンB2の多く含まれている食品は、鶏卵や牛肉、豚肉などですが、
豆にも
大豆・落
花生にもかなり含まれています。また
大豆は納豆になるとビタミンB2がずっと増えます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の分解を促進する役割があります。また、免疫機能を正常に保つためにも必要な栄養素です。
豆や
大豆・
落花生には、比較的多くのビタミンB6があります。
ミネラル(無機質)
☆
豆は、ミネラルの宝庫
☆足りないミネラルを一手に供給
人の体は、その体重の約95%が酸素、炭素、水素、窒素の4つでできています。それ以外のものをミネラルまたは無機質といいます。
主なミネラルは約20種類あり、その機能は主に次の4つにわけられます。
骨や歯の材料となる
カルシウム、リン、マグネシウム
筋肉、血液、神経などの成分となる
鉄、硫黄、りん、よう素など
体の機能を調節する
カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、よう素をはじめ、すべてのミネラル
栄養素のエネルギー転換などを促進する酵素となる
マグネシウム、マンガンなど
体に含まれるミネラルは個々には比較的微量なものが多いのですが、その過不足によりさまざまな障害を引き起こします。
ミネラルは、食品の調理加工によって失われるものが多くあります。一方、食塩に含まれるナトリウムや食品添加物に使われるリンは、一般的には加工によって増えます。
インスタント食品や加工食品の利用が増えてきた最近の日本人の体は、カルシウムやカリウム、鉄等が不足するとともに、ナトリウム(塩分)の過剰摂取により、かずかずの弊害が起こってきています。これらの不足するミネラルを供給できるのが、
豆や
大豆・
落花生なのです。
カルシウムとリンとマグネシウム
☆骨や歯の成分だけでなく、、血液や神経などでも重要な働き
☆日本人に不足しているカルシウムを、
豆や
大豆・
落花生で毎日まめに補いましょう
☆リンの摂りすぎで崩れたカルシウムとのバランスを、
豆で補填(ほてん)しましょう
☆マグネシウムは不足すると心筋梗塞などに
カルシウム
カルシウムは体内には約1Kgもあります。
その99%は骨と歯にあります。残りの1%は血液や筋肉、神経にあり、どちらも大変重要な役割を担っています。
骨のカルシウムは、常に新陳代謝を繰り返しています。一方、血液中のカルシウム濃度は一定にたもたれた骨へのカルシウムの出入の経路となっているほか、血液を凝固させる役割があります。血液中のカルシウムが不足すると、骨から血液中に不足分を放出します。神経のカルシウムは精神のいらだちを抑え、筋肉のカルシウムは心臓の筋肉の規則正しい収縮をおこないます。
カルシウムが不足すると歯や骨が弱くなり、また、いらいらした精神状態になります。
この大事なカルシウムですが、骨のカルシウム量が増えるピークは25歳ぐらいまでとされています。それ以降は、減るのを補うだけになります。困ったことに、日本人のもっとも足りない栄養素の代表が、カルシウムです。
カルシウムは10代の男性は700~900mg、女性は700mgが1日に必要であるとされていますが現状の摂取量は、15~29歳の男性が520~640mg、女性が488~499mgと不足状態にあります。カルシウム摂取量は、もともと日本人は不足しており、戦後の300mg前後から現在の500mg台に達したのも昭和42年です。
お米やうどん、そばなどの麺類はカルシウムが乏しいことから、カルシウムが多く含まれている
豆をもっと利用することが必要です。また、
大豆にはカルシウムが豊富に含まれており製品の豆腐や味噌も同様です。
リン
リンはカルシウムについで体に多く含まれています。大部分はカルシウムと結合して骨や歯の成分となりそのほかのリンは細胞内のリン脂質等となって体のあらゆる組織にふくまれています。
リンは体に必須のミネラルですが、カルシウムとは摂取の量で相反する関係があり、カルシウムとリンの理想的な摂取バランスは1:1ないし2とされています。リンが過剰になると、結果としてカルシウム不足になります。リンは加工食品に各種リン酸塩として添加されていることが多く、カルシウムに対してむしろ過剰傾向にあります。
豆や
大豆・
落花生には、カルシウムとバランスのとれた形でリンも含まれています。リンがカルシウムに比べて多い魚や肉などとあわせて食べると良いでしょう。
マグネシウム
マグネシウムは、体内では骨に約半分、次いで筋肉にあり、血液中にも少しあります。カルシウムと拮抗して筋肉の収縮を調整します。マグネシウムが不足すると、筋肉がうまく収縮せず、痙攣が起こったり心筋梗塞等をもたらしたりします。
マグネシウムはカルシウムとバランスよく摂取する必要がありますが、カルシウムと同様不足してるミネラルです。
マグネシウムは
豆や
大豆・
落花生には豊富なので、マグネシウムの少ない白米やパン、肉類や牛乳に合わせて摂りたいものです。
カリウムとナトリウム
☆カリウムを摂って、摂りすぎのナトリウム(食塩)の排泄を促しましょう
☆
豆や
大豆・
落花生はカリウムが大変多く、ナトリウムがほとんどない食品です
カリウムは細胞の内側に多く、細胞外の血液などに多いナトリウムと相反する働きをして、細胞内外液の浸透圧を維持する働きをします。
もともと動植物の細胞内には、カリウムは豊富に含まれることと、自然の動物性や植物性の食品はナトリウムが少ないことから、カリウムの摂取不足はありませんでした。
今日、カリウム不足が問題になっているのは、インスタント食品をはじめとする加工食品の増加による加工製造過程でのカリウム消耗と、味付けのためのナトリウム(食塩)の増加によることが大きな原因です。
ナトリウムの摂取が多くなると、血液中のナトリウムが増え細胞内への浸透圧が高くなります。これを薄めようと細胞内から水が血液中に出て血液量が増え、血液を送り出す圧力が高まり血圧が上がると考えられています。このため、ナトリウムの摂取を控えるとともに、ナトリウムの排泄を促すカリウムの摂取が必要となります。
また、カリウムは細胞の中でも筋肉細胞に多く、筋肉の収縮を円滑にします。夏、大量の汗をかくとカリウムが汗と一緒にうしなわれることが、夏ばてにもつながっています。
豆や
大豆・
落花生はカリウムが大変多く、ナトリウムはほとんど含んでいません。パンや加工食品にはナトリウム(食塩)が多いことから、
豆料理を食事に組み合わせたいものです。
また、カリウムの成人の所要量は1日2gですが高血圧予防のためには、15才以上は3.5gが望ましいとされています。一方、ナトリウムの所要量は他の栄養素と異なり上限値です。1日10g以下を目標値としていますが、「日本人の栄養所要量」では、「それよりさらに減らすことが望ましい」とされています。実際は、7歳以上の男女すべての階層で10gを超えています。
もっとも多く摂取してるのは男女とも50歳台です。
ナトリウムとカリウムの摂取比は1:2以下が適正といわれています。
豆を組み合わせることで、ナトリウムの多すぎる食事を改善することができます。
鉄
☆不足は貧血のもと
☆
豆で鉄を補いましょう
鉄にはカルシウムと並んで不足しがちで、特に女性にその傾向が多く見られます。
鉄は大部分が血液中のヘモグロビンの成分となって、酸素を体のいろいろな器官に運ぶ働きをします。このため鉄が不足すると、体のあちこちに酸素がいきわたらず息切れとめまいなどの貧血症状をおこします。特に、女性は月経による失血で鉄が不足します。体での鉄の吸収率は8%程度と低いため、より多くの摂取を普段から心がけたいものです。
豆や
大豆・
落花生は鉄を多く含んでいます。白米の副食物で
豆を食べることにより、鉄を補うことができます。
亜鉛と銅
☆細胞の新生に不可欠な亜鉛
☆銅は鉄のヘモグロビン合成を助ける
亜鉛は最近世界中でその重要性が認識され栄養学的な研究が活発に行われているミネラルです。亜鉛は細胞や組織の新生に欠かせないたくさんの種類の酵素の成分となっています。亜鉛が不足すると、味覚障害や発育不全を起こしたり免疫機能が低下して風邪を引きやすくなったりします。また、男性は生殖機能の低下で、子供が出来にくくなったりもします。
亜鉛を大変大量に含む食品は牡蠣ですが、
豆類は肉などと並んで多く含んでいます。
銅も最近注目されてきているミネラルです。
銅のヘモグロビンへの転換を助ける役割をしたり、髪や皮膚の色素の生成の働きや骨などの強化にも働きます。
銅も牡蠣にとりわけ多く含まれていますが、
豆類にも多く含まれています。
食物繊維
☆生活習慣病予防の主役 食物繊維
☆
豆や
大豆は食物繊維の代表選手
なぜ、今、食物繊維か
食品中に多く含まれる食物繊維は、かつては各種栄養成分の利用効率を下げる物質とされてきました。しかし、1970年頃から食物繊維の難消化成分の有効性が次第に認められるようになりました。
現在では、食物繊維は昔から言われていた便秘に効く他、心疾患、動脈硬化症、糖尿病、大腸がんなどの予防に大変効果があることがはっきりしています。最近、厚生省が国民的な対策として主導している生活習慣病対策の主役として、食物繊維が脚光を浴びるようになってきたゆえんです。
食物繊維とは、どういうものなのか
食物繊維は「人の消化酵素で消化されない、食品中の難消化成分の総体」と定義されています。食物繊維の多くは糖質のうちの多糖類に属していますが、単糖に分解されないので消化されない成分です。
炭水化物の区分の中で「糖質」と分けられる「繊維」は、食物繊維の中でも水に溶けない逆に水を吸収すると膨れる「不溶性食物繊維」といわれるものの一部です。食物繊維にはもう一つ、水に溶けゲル状になる「水溶性食物繊維」という種類があります。それぞれは体の中で違う効果を発揮します。
豆を茹でると、もとの乾燥
豆のより食物繊維の量が増加します。この理由はまだ研究途上にありますが、レジスタントスターチという食物繊維の成分が加熱により新たに生成されることによるものではないかといわれています。
いずれにしても、ごく一部のエネルギー源となるものを除いて、吸収されずに排泄されるのが食物繊維の最大の特徴で、消化管内を通過する過程で不要物質を吸着するなど健康のためにさまざまな効果をもたらしてます。
食物繊維はどのような効果があるのか
不溶性食物繊維の効果
豆に多い不溶性食物繊維は、水に溶けず水を吸収して数倍にも膨れます。これが腸を刺激してぜん動運動を活発にするとともに、量が増え柔らかくなった便がスムーズに出ることから、便秘を予防します。さらに、大腸の中の発がん物質の濃度を薄め発がん物質が排泄される頻度がたかまることから、大腸がんになる可能性が低下します。このことは、発がん物質だけでなくほかの有害物質にも言え、同じように早期排泄の効果があると考えられます。
また、不溶性食物繊維を多く含む食品は、口の中でよく噛む必要があることから早食いを防ぎ、消化されないので胃の中にとどまる時間も長くなり、満腹感も得られます。
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